第38回あいち学童保育研究集会

全体会

第38回あいち学童保育研究集会、全体会講師は 大島健吾さん
東京2020パラリンピック 4×100mユニバーサルリレーで銅メダル獲得。
愛知県瀬戸市出身の大島さんは、現在名古屋学院大学法学部の4年生で、陸上競技部に所属。この夏のパラリンピックで大活躍されました。大島さんは、瀬戸市の学童保育でアルバイトもされており、子ども達のヒーローです!ご自身の経験や学童で過ごす日々を通じて、いろんなお話が聴けると思います。どうぞご期待ください。

分科会

15分科会の開催準備をすすめています。第3分科会は40アカウントまで、第5分科会は35アカウントまでとなります。その他は80人定員となります。すべて先着申込順となりますので、お申し込みはお早めにお願いいたします。

第1分科会 入門講座「学童保育とは」 講師:中村強士さん

本講座を2019年から担当している中村です。私は、2015年の子ども・子育て支援新制度がスタートしてから今まで毎年愛知県内の「放課後児童支援員認定資格研修」を担当しており、近年では、愛知県担当課あるいは他県の研修等も担当しています。
みなさんにとって「学童保育」は当たり前の言葉でしょうけれども、実際に利用したり働いたりする場所の名前は「○○クラブ」だったりしませんか?また、学童保育に関係する法律も「放課後児童健全育成事業」という名称で規定され、「学童保育」という言葉は法律に一切明記されていません。さらに「民間学童」というものもあります。
本講座は、研究者の立場から「学童保育」をめぐるこの「ややこしさ」を紐とくような講座にしたいと思います。

第3分科会 学童保育カンファレンス 講師:森崎照子さん

学童保育所に「ただいま」と帰ってくる子どもの命(心と体)を、学童保育指導員は「おかえりなさい」と受け止め、生存権を保障します。また、学校の規制から解放された子どもは、家でも学校でも見せない素の姿を見せるため、生身の子どもの姿をとらえ 必要な働きかけを瞬時に判断して発達権・学習権を保障します。この時 子どもは心の痛みや疲れを抱えていることが多い為 心安らぐ人間関係の中で、癒し癒されエネルギーを再生する居場所づくりを援助します。そのように、子どもと共に生活を創る学童保育指導員は、子どもをどうとらえどう働きかけるかに高度な専門性(教育と福祉と臨床心理学を統合した力量)が求められ、保育者としてのまなざしを磨き耕す活動が不可欠となります。「学童保育カンファレンス」は、そんな学童保育指導員の仕事の必要性から生まれ、「子どもの最善の利益の保障」を目指して、実践しつつ深めてきました。それを分科会で共有します。

第5分科会 コロナ禍でのしょうがい児の保育,学童保育の生活や仲間との関わり,支援の工夫 講師:木全和巳さん

コロナ禍の影響により、世の中は新しい生活様式になりました。子どもたちの学校生活も学童保育の生活も、仲間との関わり方も様々な変化を強いられています。
もともと生きにくさを抱えていたしょうがいのある子どもたちや感覚過敏をもつ子どもたちは、コロナ発生前よりも苦しい体験をしていることがあります。その生活の大変さについて、一緒に考えてみたいと思います。
当日は木全先生のお話と、現場で頑張っている学童保育指導員と保護者の報告をもとに皆さんで交流し、様々な体験を分かち合いながら子どもたちへの理解を深めたいと思います。関心のある皆様の参加をお待ちしております。

第7分科会 しょうがいのある子どもの理解と学童保育での居場所づくり 講師:佐々木将芳さん

今回の分科会では、障害のある子どもが学童保育でどのように主体性を持ち活動していけるかを考えたいと思います。
いま、全国で46,000人を超える障害のある子どもが学童保育で生活しています。しかし、各支援の単位で考えてみると、平均して1名程度になってしまいます。こうした現状の中で、障害のある子が、集団の中で少数派にならず、埋もれてしまわず、〝仲間とともに過ごしたい、あたらしい自分に出会いたい〟という思いに私たちはどうやって寄り添い援助すればよいのでしょうか。
ここでは、以下の2つの視点で障害のある子どもにとっての学童保育を考えたいと思います。
一つ目は、障害のある子の内面理解です。〝障害〟があることで、それを特殊なこととして分けて考えていませんか?一人の子どもとして、子どもたちの示す行動の意味を〝私のこと〟としてとらえ返してみましょう。
二つ目は、集団のあり方です。私たちは、活動を進めるにあたり、どうしても〝一緒に〟を意識してしまいます。しかし、その〝一緒〟とはどのようなものなのでしょうか。全てのことを同じくすることが〝一緒〟で、〝参加〟の意味になっていたとしたら、子どもたちは少し苦しさを感じているかも知れません。
このようなことを、講座や交流を通してみなさんと一緒に考えられたらと思います。

第8分科会 性について 講師:玉木 博章さん

みなさん、「お姫様ドッヂボール」という遊びを知っていますか?
本講座では、現代における性の多様性を学ぶため、セクシャルマイノリティの捉え方はもちろん、性の歴史や種類を学ぶことで、指導員としてはもちろん、人間としてこれからの時代に不可欠な性に関するマインドを養い、実際の指導に繋げていきます。また、実際の事例を用いながら、自らの無意識の発言や考え方が、知らず知らずのうちにセクシャルハラスメントになっていないか、子どもはもちろん、他者を傷つけていないか確認していきます。
ちなみに「お姫様ドッヂボール」も場合によってはセクハラになります。

第10分科会 思春期・反抗期の子どもの“困った・・・”を“面白い”にしよう 講師:岡崎勝さん

思春期は年齢的には10〜12歳以降とされていますが、実際には思春期以前の子どもたちだって、別の意味で「手がかかり」ます。なだらかに成長していくというよりは、手のかけ方や複雑な対応がよりいっそう「面倒くさく」なっていくわけです。赤ちゃんからの幼い頃までの、子育て苦労が一段落し、親としてはやっと「ラクになるはず」だと思っていたのが、とんでもないやっかいな時期に入るのです。何かに夢中になると動かない、忘れ物が多い、身辺の整理整頓ができない、何を怒ってキレているのか分からない、友だち関係でうまくいかないとふさぎ込む……など、「まだ幼く、期待したほど成長していない」ように見えます。でも、自我が芽生え(承認欲求)、他者を意識(評価・成果・勝敗へのこだわり)し、ウィークネス・フォビア(弱者嫌悪)、などなど一人前になるための課題がいっぺんに押し寄せます。そんな怒濤の思春期の子どもと「楽しく」(はぁ?楽しくだってぇ……ムリムリ?)どう付き合うか、一緒に考えてみましょう。 

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